
今回の Paris Perfume Week 2026 では、世界唯一の香水保存機関であるパリ郊外のオスモテークが、会期中の展示に参加しています。
オスモテークは4,000点を超える香水を保管しており、そのうち800点は現在見つからない香水です。
香水を、商品としてだけでなく、残すべき文化・遺産として扱う姿勢が、ここにはあります。

オスモテークの展示「香水が歴史になるとき」は、創り手たちの仕事が時代を超えて残っていくことを見せています。
最近は日本でも、香りづくりを体験する場が広がってきました。これにより、香りがより身近になったこと自体は、とても豊かな変化です。
残すものは何か
ここからはA10の視点ですが、香りをつくれること自体が普及し、特別ではなくなるほど、香りブランドには「何を残すのか」が問われます。
だからこそ、香りをどんな香水瓶に宿し、どんな佇まいで世の中に置くのかが重要になると考えています。
香水瓶は、香りを入れる器であると同時に、ブランドの足跡を未来へ残すためのカタチでもあるのです。
どちらを選ぶのか
そう考えると、香水の容器には二つの道があります。
ひとつは、使い終わって役目を終えるものとして、軽く、廃棄しやすく、量産しやすい容器。
もうひとつは、使ったあとも空間に残り、記憶をとどめるオブジェとなる香水瓶です。
後者では、素材、重さ、手触り、置いたときの佇まいまで含めて、価値が形になります。
香りを使い終わった後
ブランドは、香りをどのような存在として世の中に置くのかを、香水瓶でも選んでいるのです。
同時にそれは、香りを使い終わったあと、何が残るのかを決めているのだと思います。
パリ・パフューム・ウィークとオスモテークを見ていると、香水とは、香りだけで完結するものではないのだと改めて感じます。
香りとカタチ、その両方がそろって、はじめてブランドの歩みは文化になっていくのだと感じます。
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